過敏性腸症候群 IBS(ガス型)とは?

過敏性腸症候群(IBS)は、腸の機能に異常がなくても腹痛や下痢、便秘などの症状が続く病気です。その中でも「ガス型(IBS-G)」は、過剰なガスの発生や排出に関する症状が特徴的です。

悩む女性

ガス型IBSの主な症状

  • お腹が張る(膨満感)
  • 頻繁なオナラ(特にコントロールが難しい)
  • ガスによる腹痛や違和感
  • 腸内ガスによる不快感
  • 人前での緊張やストレスの増加

このような症状が日常生活に支障をきたし、人との関わりが億劫になることも少なくありません。

ガス型IBSの困難さ

ガス型IBSの患者さんは、以下のような困難を感じることが多いです。

1. 社会生活への影響

公共の場や職場でガスが気になり、人との距離を意識しすぎてしまうことがあります。例えば、会議中や授業中にガスを我慢することがストレスとなり、症状を悪化させる悪循環に陥ることも。

2. ストレスの増大

「またガスが出たらどうしよう」と不安になることで、交感神経が優位になり腸の働きがさらに乱れることがあります。特に、社交的な場面では緊張による症状の悪化が顕著です。

3. 食事の制限

ガスを発生しやすい食品を避ける必要があり、食事の選択肢が狭まります。特に、乳製品や豆類、炭酸飲料を避けることで、好きなものが食べられずストレスを感じることもあります。

4. 周囲の理解不足

外見上は健康に見えるため、家族や友人、職場の同僚に「ただの気にしすぎでは?」と思われることが多いです。適切な理解が得られにくいことも、孤独感を生む要因の一つです。

ガス型IBSの改善策

ガス型IBSの症状を和らげるためには、治療や生活習慣の見直し、カウンセリングなどが有効です。

1. 薬物療法

症状に応じて以下のような薬が処方されることがあります。

  • 消泡剤(ジメチコンなど) … 腸内のガスを減らす
  • プロバイオティクス … 腸内環境を整える
  • 抗不安薬・抗うつ薬 … 自律神経を整え、ストレスを軽減
2. 食事療法

食事の改善も重要です。特に以下のポイントを意識すると良いでしょう。

避けた方が良い食品

  • 炭酸飲料(ビール、コーラなど)
  • 食物繊維が豊富すぎる食品(豆類、キャベツなど)
  • 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
  • 油っぽい食事や加工食品

取り入れたい食品

  • 発酵食品(納豆、ぬか漬けなど)
  • 低FODMAP食(白米、鶏肉、魚、にんじん、なすなど)
  • 温かい飲み物(ハーブティー、生姜湯など)
3. 生活習慣の改善

腸の働きを整えるためには、日常生活の見直しも重要です。

① 適度な運動

ウォーキングやストレッチを取り入れることで腸の動きが活発になり、ガスの排出を促します。

② 規則正しい生活

睡眠不足や不規則な食生活は腸のリズムを乱すため、決まった時間に食事を摂り、十分な睡眠を確保しましょう。

③ ストレス管理

リラックスする時間を確保することが大切です。ヨガや深呼吸、趣味の時間を持つことで交感神経の過剰な働きを抑えられます。

4. カウンセリングや認知行動療法

ガス型IBSは、ストレスや不安との関係が深いため、心のケアも重要です。

  • 心理カウンセリング … 専門家と話すことで悩みを整理し、気持ちを軽くする
  • 認知行動療法(CBT) … ガスに対する過度な意識を和らげる

まとめ

ガス型IBSは、日常生活に大きな影響を与えることがありますが、適切な治療と生活習慣の見直しで改善が期待できます。

  1. 薬物療法で症状を緩和
  2. 食事療法で腸内環境を整える
  3. 運動やストレス管理で腸の働きを改善
  4. カウンセリングで心の負担を軽減

ガス型IBSの方々が少しでも快適な生活を送れるよう、できることから実践してみましょう。周囲の理解を得ることも重要なので、信頼できる人に相談することも一つの手です。

あなたの体と心の健康を大切にしてくださいね。

西尾心理療法指導室  

〒533-0033
大阪市東淀川区東中島1-17-5 ステュディオ新大阪645
TEL 06-6390-3001

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